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金沢諏訪堂の会
黒森古道再開拓プロジェクト
秋田県の美郷町と横手市に跨る金沢という地域がある。後三年の役の金沢の柵で全国に知られている。この地域の東側に奥羽山脈が横たわり、その峰には黒森山と御嶽山がある。金沢からこれらの山頂に到る古道が昔から存在している。この表現を使う理由は、その古道が古老たちの記憶と国土地理院の地図上にしか存在しないからである。古老たちの話と国土地理院の地図を頼りに、その古道を探して歩いたが途中が生茂った藪と灌木に覆われて先にすすむことができなかった。この古道を金沢の山向こうにある沢内村や山内村との交通路として多くの人々が商品や荷物を背負って歩いたと言われている。また、木材の切出し、黒森での雨乞い、御嶽の塩湯彦神社への参拝、中腹にある共有林での茅刈や牧畜の飼料採取などの道として使用されていた。しかし、昭和の後半期に入ると生活の習慣が変わり、この古道を歩く人が絶えてなくなった。それが約60数年前と考えられる。
林道の所轄は市町村なので金沢地域では地域によって美郷町管轄と横手市管轄に分かれる。かつては自動車が通れた林道はいまや誰も使用しなくなり、道の一部は川になったり、道全体が藪になったり、樹齢40年を超す樹木の倒木があったりして人も車も通れないほど荒廃している。道はすべての始まりであり、道が無くなれば何事も成就できないことは、人類五千年の歴史で証明されている。
ヘッディング 6
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